2020年06月21日

人は簡単に壊れる

前回書いた『ストリップサーチいたずら電話事件』ですが、たった1人の常識人が居れば起きなかった事件のような気がしませんか?


  1. 警官を名乗る男がマクドナルドの店舗に「店員が客の金を盗んだ」と電話をかける。
    対象となる女性店員の特徴を告げられると、店長はそれに当てはまる女性店員の名前を言って確認する。

  2. 事務所に連れて来られた女性店員の所持品やポケット等の検査を命じる。
    盗んだ金をどこかに隠すかもしれないという緊急性を訴えられ、双方が協力する。

  3. 盗んだ金をなんとか見つけたいと、女性店員を裸にするよう強要する。
    ここで裸になって『盗んだ金』が出なければ、この厄介ごとから解放されると思わせる。警官に連行されて長引くよりはマシという考えを植え付ける。

  4. 脱がせた服を、身体検査をさせた店長の車に運ばせる。
    「身内が薬物で家宅捜査をされている。彼女の衣服から反応が出ればそれで持っていける。」という極秘情報を与え、駒となる女性店長との信頼関係や精神的つながりを作る。
    この段階で、一般人の行動としては度を超えているという意識があるたね「責任は私が取る」に依存しやすい。

  5. 検査・見張りという名目で次々と自分の恥を観察される事で心が折れていく女性店員。
    可哀想で惨めな状態のままで置かれる女性店員を見ながら、皆が「仕方ない」と考える。



ここまで来ると割と簡単だと思います。孤立する女性店員。
皆がその状況に加担していく事で、「自分が悪いのだから」や「私は捜査協力しているだけ」と個々を正当化する。それがまた女性店員を孤立させる。

人をコントロールしたり支配したりするのに効果的な要件がズラーっと並んでいます。「自分で対処できる・したい・しなければ」と考えるタイプの女性店長は、理想的な駒です。同調し、褒めて頼る。この言葉だけで成果を上げてくれたりします。




ごく普通の一般人がどれほど残酷になれるのか?これは監獄実験やミルグラムで知られている通りです。人は簡単に残酷になれるし、壊れやすいのです。

どうしても実験が成功しないものとしてこんなものがあります。

実験の協力内容は以下の通り。

  1. 1週間施設の部屋で生活する。

  2. いつ寝ても起きても良い。

  3. 食事は3食付き。

  4. ゲームや雑誌、おやつやジュース等好きな娯楽も用意。



協力期間が1週間程度の割に高額なのですが、誰も最後まで持たず帰ってしまいます。
何を実験したいのか?被験者は何で耐えられないのか?
わかります?

24時間休まずに生活を監視されるのです。寝ていても起きていてもです。
監視生活に耐える実験なので、被験者が気にしないようにしても「あのお菓子美味しかった?」や「よく眠れた?」なんて『監視している事をほのめかす』だけで被験者の精神がやられてしまいます。
「このままここにいたら本当に頭がおかしくなってしまう」と被験者は逃げ出してしまうのです。

サリン事件で犯人にされた人は、これによく似た精神的苦痛を与えられながら生活をした時期があります。家族もです。捜査技術のひとつと圧を与える側は思っているかもしれないところが怖いです。マジで。しかもただの被害者家族にやっていたわけですから。




人の心は折れやすく、精神は崩壊しやすい。
人は簡単に支配されやすく残酷になれる。

どんな状態なら支配できるか?コントロールできるか?
何が苦か?何で崩壊するのか?
こんな実験はあるのに、それに対する防御策についても研究結果が表に出にくいのは何故でしょう?
「まぁ!そんな事で?」「なんてひどい!」と思いながらも、それを知っておきたい人が多いからでしょうね。
知っている事は役に立つとも言えるので悪い事ではありませんが。
これも人の闇ですね。

これらに対抗できる唯一のツールは愛だと思います。

自分には守らなければならない愛すべき人がいる。これだけで通常以上の能力を発揮したり頑張れたりします。
孤立しても、たった一人の愛してくれる人がいる。これだけで人は壊れずに残る部分があります。
孤立は憎むべき鬼だと思います。

近年は、モラルやコンプライアンスにうるさいので、このような実験もされなくなりました。されたとしても表には出ません。
しかし、このような事件が起きると…
やっぱり検証するのに実験結果や内容が役に立つんですよねー。負の連鎖ですねー。
posted by Mako at 14:33| 日記